子どもに起こる腰痛とは
腰痛というのは、そもそも人間が2本足で歩くことで背負った宿命のようなものです。人間の腰椎は生理的前彎というもので、横から見ると少し前方に膨らんでカーブしています。
この腰椎の生理的前彎というのは四足で歩行する動物にはありません。4本足で歩いている状態だと、股関節は脊椎(体幹)に対して前方に伸びていますが、2本足で歩く人間の場合は、下肢は脊椎に対してその延長線上になければなりません。
こうして2本足で立ち上がってしまったために、上半身の体重を細い脊椎で支えることになり、その柔軟性を保つには、椎間板が常に可動性と荷重の負荷に耐えているということなのです。
そこで、椎間板に変性という構造上の傷が生じてしまい、痛みとなるのです。では、子供の場合ではどうなのかというと、形態的に異常がない限りは、稀に椎間板は10歳代でも変性が見られることもありますが、変性という状態は子供にはあまり見られません。
大人にみられる腰痛の原因のほとんどが変性由来のものであることを逆に考えると、変性のない子供に腰痛は非常に起こりにくいとされています。
従って、もしも子供に腰痛が見られた場合には大人の腰痛とは違って、何らかのはっきりとした異常があるケースが成人よりも高くなっています。このように子供の腰痛には特に注意が必要です。